スマホと3S
スマホの登場によって、それ以前の時代よりも圧倒的に便利になりました。
昔であれば携帯電話(その前はPHSやベル)、音楽を聴くためのWalkman、ゲームボーイ、雑誌や本、新聞あたりをカバンに入れなければならなかったのが、今であればスマホ1台で済みます。
電車を見渡せば7割方の人はスマホを見ています。特に多いのがSNSとスマホゲーム。
モバイルからのインターネット接続時間が世界でも最も短い国の一つとは思えません(データの取り方に問題がある気が)。
まぁそれはそれとして、スマホは便利な機器ではありますが、一方で人間をダメにしていっているような気もします。
誰でも簡単にエンターテインメントにアクセス出来るということは、しっかりとした自制心を持たなければダラダラと時間を無為に消費するだけになるからです。
3S政策という言葉をご存知でしょうか。
SPORTS、SEX、SCREENの略で、これらを積極的に勧奨することで、民衆の政治への興味や関心を削ぐ、あるいは不満を解消させるといういわゆる愚民化政策で、あくまで仮説ではありますが戦後の日本やナチス政権下のドイツで行われていたと言います。
真偽のほどは別としても仮説としては極めて納得感のある話で、この3Sと極めて親和性が高いのがスマホであることを考えるとスマホの普及はそのまま意図しない3S政策を推進することになるのではないでしょうか。
スマホを見ていれば頭を使わずにダラダラと時間を過ごすことが出来ますし、スマホで調べれば自分で考えることなく正解らしい情報やその領域に詳しそうな人にすぐアクセス出来る時代。
私も含め、昔の人の多くがしていたであろう「ぼんやりと考える時間」はどんどん減っているのではないでしょうか。
「人間は考える葦である」というパスカルの言葉を噛みしめた方が良いのかもしれません。