アンバンドル
個人的に注目しているマクロトレンドにアンバンドルというものがあります。
バンドルとはまとめ売り、セット売りを指す言葉ですが、アンバンドルはその逆でバラして販売するというもの。
CDという複数の曲がバンドルされていた商品から曲単位の配信に大きく変わった音楽業界がアンバンドルの最たる例ですが、その他の領域でも沢山出てきています。
例えばSaaSの多くは特定領域に特化したアンバンドリング型のプロダクトです。様々な機能が入ったグループウェアではなく、コミュニケーションはslack、経費申請は楽々精算、人事労務はSmartHR、といったようにそれぞれの領域に特化したものを使っている企業が少なくありません。
ではなぜこのようなアンバンドリング型が多くなっているのでしょうか。
個人的にはその大きな要因はITの普及により、様々な領域において流通コストが下がっていることではないかと考えています。
例えば CDで言えば10曲入ったアルバムも1曲だけ入ったシングルも物流費等は変わらないわけです。結果、シングルは売価を高く設定する必要がありました。逆に聴きたい曲以外の曲もセットで買ってくれるなら割り引くよ、がアルバムなわけです。
B to Bでも構造はほぼ同じでインターネット普及期前は対面で売る必要があったため、営業マンの効率を最大化させるには単価を高くする必要があり、それを半ば正当化するためにもバラ売りだと高いけど、まとめて買ってくれたら安くするよとなるわけです(結果、様々なものがバンドルされる)。
しかしインターネットにより流通コストが大きく減少した結果、アンバンドル型サービスが増えてきたということなのでしょう。そもそも特化している方が、資源を集中投下出来る分、UI/UXに優れているケースが多いですし。
また、少し性質は違うものの、Taimeeに代表されるような短時間派遣、UBERに代表されるシェアリングモデルも、元々8時間まとめて売っていた時間のバラ売り(アンバンドル)と捉えることも出来ます。
これらもユーザーとサービサーを結び付けるコストが下がったことに起因しています。
まだまだ色んな領域で転用出来そうなので、頭の隅っこに置いておこうと思います。