こんさる雑記帳

コンサルタントとして日々の仕事の中で考えたこと、二児の父として毎日の生活の中で思うことなんかを雑にまとめていこうと思います。

マッシュアップスキル

正しい問いの設定が出来たら問題の半分は解決したようなものである、というのはコンサルティングの世界ではチラホラ聞く言葉ですが、個人的にはこれは大分昔の話、ないし戦術・戦闘レイヤの話だと思っています。

 

というのも現代では、解を見つけることが極めて難しい問いがほとんどだからです(そのレベルの問いは設定として正しくないとも言えるかもしれませんが笑)。

 

極論、昔はクライアント側と情報格差が作れたら、それをそのまま解として提供することで、価値を出すことが出来ました。が、昨今では情報そのものだけではなかなか価値と認めてもらいづらいからです。

 

そういう意味で、今の時代に求められているのは様々な情報を整理統合し、編集・再構成する力だと思っています。

 

即ち、様々な情報をインプットし、それらを抽象化あるいは細分化し、共通項や転用可能な点を見出しながら全体をストーリーとして統合するということです。

 

 

言うなればビジネスにおけるDJであり、マッシュアップアーティストなわけです。

 

 

 

それを踏まえてこちらをご覧ください。

 

www.youtube.com

 

超有名なマッシュアップなので知っている人も多いと思いますが、なぜか久々に聞きたくなってyoutubeで検索してみたら、10年越しのリメイク版が出てるじゃないですか…。

 

吉幾三「おら東京さ、行ぐだ」

Daft Punk「Technologic」

Capsule「Starry Sky」

Beastie Boys「Ch-Chech Out」

マッシュアップ。私が知る限り、史上最高のマッシュアップです。

 

 

これは集合知(ニコ動である人が作ったものを別の人が再加工した)で作られていますが、素材の組み合わせ(選曲と、楽曲内での切り出し部分の巧みさ)、曲のつなげ方・被せ方、動画、全てにおいて素晴らしいです。原曲の良さもしっかり残しています。

 

 

いや、本当に素晴らしい。

 

 

私は吉幾三にもDaft Punkにもなれないので、この無名の?マッシュアップ職人のようになりたいと思います。

 

※上記マッシュアップを紹介したいだけのエントリです

 

 

 

娘の習い事からモチベーションについて考えてみる

娘にはこれまでバレエとピアノという2つの習い事をやらせました。いずれも親からの働き掛けではなく、娘が「友達がやってるから私もやってみたい」と言い出して始めました。

 

が、結果としてはバレエは継続、ピアノはわずか2ヶ月ほどでやめてしまいました。バレエでモチベーションを維持できているにも関わらず、なぜピアノでは維持できなかったか。要因を考えながらモチベーションについてもう一段深く考えてみたいと思います。

 

 

バレエはレッスン自体を遊びとして楽しんでいる

バレエもピアノも4歳児にとって上手くやるのは難しいわけで、成果(出来るようになったという実感)というよりプロセスとしてレッスン自体を楽しめるかが重要です。

 

バレエはグループレッスンのため、年齢の近しい子どもたちと一緒にレッスンを受けます。当然グダグダになる場面もありますが、一方で友達と遊ぶ感覚で続けられるというのが最大の要因だと感じています。またレッスン後に友達とお菓子交換が出来るというのも娘にとっては非常に楽しみなようです。

 

一方でピアノは良かれと思ってプライベートレッスンにしたのですが、これだと他の友達と楽しむ、ということが出来ません。これが大きかったような気がします。

 

 

ピアノは決定的なネガティブポイントがあった

上記のポジティブ要因が無いだけだったら、もしかしたら外発的動機付けで何とかなったのかも知れません。事実、ピアノに行くテンションが低下していた時に、妻が何回か「頑張ったらお菓子あげるよ」と働きかけたことでレッスンに行かせたことがありました。

 

が、結果として続きませんでした。これは前述したポジティブな部分が無いというだけではなく、ピアノにネガティブな印象を持っていたからでしょう。

 

うちの娘は、誰に似たのか(私か?)プライドが高く、自分が上手くできないところや苦労している所を大人に見られるのを嫌います。にも拘わらずプライベートレッスンではそれが露見してしまう。

これが本人にとって非常に嫌な体験だったようです。

 

一方で、バレエは友達みんな出来ないため、このネガティブな印象を持ちづらいのではないでしょうか。

 

 

モチベーションとはポジティブ感情とネガティブ感情の差分?

そう考えるとモチベーションとはポジティブな感情とネガティブな感情の差分という単純な説明が出来るような気もします。

 

 

‥久々にもう一度ダニエルピンクのモチベーション3.0を読んでみてもう少し考えてみます。

 

明日は企業のモチベーションマネジメントという観点について考えてみようと思います。

 

 

外発的動機付けと内発的動機付け

NetflixのTHE100にどハマりし、ブログをサボってしまいました(若干寝不足)。

 

やはり一度中断すると、中断することに対する抵抗感(積み上げてきたものの重み)が少なくなるのでだめですね。

 

禁煙と同じ笑

もう一度気合を入れ直します。

 

 

最近モチベーションについての議論が多く、モチベーションについて自分の考えを整理しているところなのですが、なかなか整理が付かないのでモチベーションに直結する動機付けについてまず整理します(そもそもmotivate=動機付けですし)。

 

 

外発的動機付けと内発的動機付け、聞いたことがある人も少なくないと思いますが、心理学の考え方で前者が評価や賞罰、強制などの外的なインセンティブによってもたらされるもの(平たく言えばアメとムチ)、後者が自身の興味関心や意欲などの内的インセンティブによってもたらされるものとされます。

 

 

外発的動機付けの一番のメリットは外部によってコントロール可能なため、組織の仕組みに取り込みやすい点。

 

基本的に組織は何らかの外発的動機を組み込んでいます。一方でデメリットは外発的動機付けだけでは中長期的に引き付け続けることが難しいこと。

 

業績が良かったから賞与なりで社員に還元したのに、翌年賞与が元に戻るとモチベーションが下がる、というパターン。

 

人間は基本的に与えられた環境にすぐに慣れ、適応してしまうため、外発的動機付けだけで上手く回すには常により高い報酬となるように設計する必要があります(UP or OUTはこれですね)。

 

 

そういう意味では内発的動機を持ってもらうことがベストなのですが、これが多くの企業では難しい。というのも内発的動機は個々人によって異なるからです。

 

Googleの20%ルールに代表されるような個人の活動を企業が支援するといった形が1つの解なのでしょうが、これはGoogleの超高収益と個人の活動から会社の事業に発展しうる可能性を持つGoogleの事業だからこそ為せる業。

 

なかなか通常の企業では取り込むのは難しいのではないでしょうか。

 

 

そういう意味では、初期は外発的動機付けで動かしながら、そのプロセスで様々な面白さ=内発的動機を見付けるという設計にする必要があるのではないでしょうか。

 

 

子どもの習い事に学ぶべき点がありそうです。このあたりは今後更に深く考えてみようと思います。

 

ルールが生む非効率

「1%の悪質な客のために、優良な99%のお客さんが割を食うのはおかしい」

 

以前テレビで見た、定額でバッグ借り放題のサービス、ラクサスの社長の言葉です。

 

当初は必ず発生するであろうクレーム対応費用や修繕費を織り込んだ価格設定にしていたようですが、この事実を元にクレーマーや悪質な客は一発で退場させるスタンスとし、価格を安くすることに成功したとのこと。

 

 

これすごく本質的な話で、ごく一部の人間のために、大多数の人が負担を強いられるという構造は至るところで見られます。

 

 

例えば刑務所。ググってパッと出てくる数字なのでかなり古いですが、収容等に係る費用予算が平成18年度は700億円。

 

ちなみに収容されている人数は5万人ほどということなので、人口の0.05%にも満たない一部の人のために大多数が負担を強いられている構造です。

 

ラクサスのように一発退場させれば上記の金額は掛からないわけです。有罪=死刑という構図になることは、あまりに非現実的ですし、私自身そんな世界は望まないですが。

 

 

会社の多くのルールも性悪説に基づいて作られています。

 

例えば立替経費の精算。コーポレートカードを渡せば不要なわけです。

あるいは勤怠管理。管理しないと働かないという前提になっていますよね。

 

細かいのを挙げ出したらキリがありません。レジ締めは社員がやらなきゃいけないとか、全ての支払いに稟議が必要とか、夜22時以降は飲み会禁止とか笑

 

悪いこと、特に個人あるいは組織の存続に危機を及ぼすような事案が発生する度にルールが増えていきます。

 

 

会社の信任に背くような行動をした社員を解雇することが出来れば、全部要らないルールです。そのルールに紐付く業務は大多数の人間にとってやる必要のない業務なわけです。

 

日本の場合解雇が非常に難しいため、企業サイドとしては致し方ない部分もありますが、出来るだけ組織のモラルレベルを維持しながら、出来るだけルールの少ない組織でありたいものです。

 

 

 

 

アンバンドル

個人的に注目しているマクロトレンドにアンバンドルというものがあります。

 

バンドルとはまとめ売り、セット売りを指す言葉ですが、アンバンドルはその逆でバラして販売するというもの。

 

CDという複数の曲がバンドルされていた商品から曲単位の配信に大きく変わった音楽業界がアンバンドルの最たる例ですが、その他の領域でも沢山出てきています。

 

 

例えばSaaSの多くは特定領域に特化したアンバンドリング型のプロダクトです。様々な機能が入ったグループウェアではなく、コミュニケーションはslack、経費申請は楽々精算、人事労務はSmartHR、といったようにそれぞれの領域に特化したものを使っている企業が少なくありません。

 

 

ではなぜこのようなアンバンドリング型が多くなっているのでしょうか。

 

 

個人的にはその大きな要因はITの普及により、様々な領域において流通コストが下がっていることではないかと考えています。

 

 

例えば CDで言えば10曲入ったアルバムも1曲だけ入ったシングルも物流費等は変わらないわけです。結果、シングルは売価を高く設定する必要がありました。逆に聴きたい曲以外の曲もセットで買ってくれるなら割り引くよ、がアルバムなわけです。

 

 

B to Bでも構造はほぼ同じでインターネット普及期前は対面で売る必要があったため、営業マンの効率を最大化させるには単価を高くする必要があり、それを半ば正当化するためにもバラ売りだと高いけど、まとめて買ってくれたら安くするよとなるわけです(結果、様々なものがバンドルされる)。

 

 

しかしインターネットにより流通コストが大きく減少した結果、アンバンドル型サービスが増えてきたということなのでしょう。そもそも特化している方が、資源を集中投下出来る分、UI/UXに優れているケースが多いですし。

 

 

また、少し性質は違うものの、Taimeeに代表されるような短時間派遣、UBERに代表されるシェアリングモデルも、元々8時間まとめて売っていた時間のバラ売り(アンバンドル)と捉えることも出来ます。

 

これらもユーザーとサービサーを結び付けるコストが下がったことに起因しています。

 

まだまだ色んな領域で転用出来そうなので、頭の隅っこに置いておこうと思います。

ふるさと納税について考える②

昨日の続きです。

 

そもそもふるさと納税は税制を通じて、育ててもらったふるさとに貢献する仕組みができないかという考えから始まったものです。

 

この理念を本当に形にするなら、今回の地場産品&返礼率の上限設定では若干物足りません。

 

「過去、住民票があった自治体へ住民税を自動で分配する」

 

これがベストではないでしょうか。実際、サッカーの世界ではFIFAにより連帯貢献金というルールが整備されています。

 

クラブ移籍時に移籍金が発生した場合、12歳〜23歳までに所属していたクラブチームに育成金の一定割合が所属した年数に合わせて支払われる、というもの。

 

最近で言えば元セレッソの南野選手がなんとリバプールに移籍、10億円ほどの移籍金が発生したと言われていますが(格安と言われていますよね、すごい)、このうちの数%がセレッソ大阪に支払われます。

 

長友選手がインテルに移籍した際にはFC東京に2億ほど入ったという話もありましたが、非常に良いルールです。

 

これをそのまま適用します。

 

そもそも子どもの時代は税収があまり発生しないにも関わらず(子ども分の消費税くらいでしょうか)、様々な補助が発生したり、施設や設備を利用するわけで自治体から見たら赤字です。

 

就職してようやく税金で回収かと思ったらみんな都心に行ってしまう。これではアンフェアです。

 

この施策はそういう意味では非常にフェアです。技術的には絶対出来るはず(まぁ行政の仕組みなんで出来ないかもですが笑)。

 

もう一つ。

「実際に立ち寄ったことのある自治体に限定し寄付することが出来る」

 

正直、転入もない、観光資源もビジネスニーズもない=魅力のない自治体が返礼品で税金を集めて生き永らえることを許容出来るほど日本に余力はないわけです。これ、全体的にはマイナスです。

 

非常にドライですが、日本全体のことを考えれば魅力のある自治体に金を集めるべき。そういう意味でも、寄付出来るのは立ち寄ったことのある自治体のみというのが有効なのではないでしょうか。

 

ポータルサイトのアプリにGPS機能載せないといけませんが。返礼品は地場産品に限定し、返礼率は撤廃。

 

そうすれば魅力的な返礼率の自治体に実際に行ってみるという動きも多少生まれるでしょう。旅行をすれば自治体に必ず金が落ちます。

 

 

残したい自治体のことが頭をよぎりながらも、ついつい返礼率を計算しながら寄付先を探している私のようなさもしい人間のためにもそんな仕組みになればなぁと思うのです。

ふるさと納税について考える

これまた年末年始ネタ。年末といえばふるさと納税ですね。

 

我が家はリピートしている特定の自治体からお米や豚肉を定期的にふるさと納税で調達し、年末に余った枠でいつもの自治体以外のところに寄付するスタイルなのですが、明らかに還元率が大きく下がっていることを感じました。

 

そう言えば昨年7月から新制度になっているんですね。最大返礼率を30%とし、地場産品のみに限定するというのが大きな変更点。

 

これに異を唱えた泉佐野市が返礼率70%のamazonギフト券を返礼品にし話題になったことも記憶に新しいですね。

 

この背景になったのが、自治体間の自由競争による返礼率吊り上げ合戦。下記はふるさとチョイスからの拾い物ですが、ふるさと納税系のポータルが出だすとともに、その明らかなメリットから利用者が激増。これに伴い、返礼品を設定する自治体も激増し、返礼率もどんどん上がっていきました。

 

f:id:maple_sunflower:20200108231456p:image

 

結果、自治体が疲弊。返礼品や送料は各自治体が費用負担をする(返礼品生産者に支払う)仕組みなので当然です。一部には赤字の自治体もあったとか。

 

 

そういう意味では今回の制度変更は課題に対する打ち手としては非常に正しいと思います。これによりふるさと納税が下火になることも無さそうです。

(昔からやっている人間としては残念な部分もありますが)

 

 

が、総務省の掲げる理念を鑑みると、個人的には返礼品だけで選ぶという今の仕組みには違和感があり、根本的にはこの部分を変えなければならないのではと考えています。

 

ふるさと納税の理念↓

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/policy/

 

思いっきり現行の仕組みでメリットを享受している人間がどの口で言うのか、という話ではありますが、明日このあたりについてもう少し考えてみようと思います。