意識させないデザイン
先日こんな記事が。
「忘れ物を確実になくすために「トイレでの一連の動作のなかで、利用者全員が『最後に鍵を開ける』こと」に着目し、カギに荷物棚を設置することを考えました。」
「トイレの個室内の忘れ物も小物類が約6割を占めていました。そこで、スマホや財布(長財布)を安定して乗せられる大きさが必要と考え、現在の大きさに決定しました。」
というファクトに基づいた意思決定と顧客インサイト、くだらない記事ではありますが素晴らしいです。しかも記事後段に書かれている忘れ物センサーなどよりも明らかにコストが安い。
以前記事にしましたが、「Form follows function」を体現しているデザインです。
maple-sunflower.hatenablog.com
この例のように、ユーザーが自然とそうしてしまうように仕掛けるというのは施策の中でも最上級でしょう。
他にパッと思い当たるところでは、
①男性向け小便器の的(つい狙ってしまう)
②駅の券売機とかにある出っ張り(自然と傘を掛けてしまう)
③iPhone(フリックはあのバイーンとなるエフェクトのおかげで子どもでも出来ちゃう)
あたりでしょうか。
こういった意識させないデザインについては佐藤卓さんというグラフィックデザイナーの方が有名です(美味しい牛乳やクールミントをデザインした人)。下記リンク参照。
戦略や組織設計にも同様の視点が必要で、現場にマネジメントの考えを落とし込むことなく、現場が自然に動いていたら結果的に戦略目標が達成されてしまうような組織設計/KPI設計というのが最上です。
わざわざ人材に動いて貰おうとするとそれだけに大きなエネルギーが使われてしまいます。
もちろん簡単ではありませんが、そのあたりは常に意識しておかないといけないと思います。