PESTと5FORCE
コンサルという仕事柄、フレームワークというものに人より多めに触れている自覚はありますが、戦略ないし企業評価という点においてはやはりPEST、5Fが最重要です(なおこの順で重要です)。
というのもその市場が成長するか否かが企業の業績に及ぼす影響として最も大きいからです。成長市場であれば業界低位にいても市場拡大の恩恵を受け自然と会社は成長します。めちゃくちゃ極端な言い方をすれば、競合優位性など無くても大丈夫なわけです。
特に業界に与える影響として最も大きいのがPESTです。PESTとは下記4つの要素の頭文字を採った略語です。
①political(政治的要因)
市場競争の前提となるルールに影響を与える法改正、税制変更など。特に業界関連の法改正は緩和にせよ、規制強化にせよ大きな影響を及ぼします。
②economic(経済的要因)
バリューチェーンに影響を与える景気や金利、為替の動向、国家としての経済的成長率、消費動向など。日本だけで言えば所得格差の拡大とそれに伴う消費動向が非常に大きなトピックですね。
③social(社会的要因)
需要構造に大きな影響を与える人口動態、世帯変化、流行、文化変容など。今後の日本に最も影響を与えるのはおそらくこれだと思います。
④technological(技術的要因)
企業活動に大きな影響を与える新技術。ここ数年はIT領域における技術革新が様々な業界に影響を与え、多くのディスラプションが起こりました。
爆発的に伸びる会社はこのPESTのトレンドを見極めて上手く乗っています。このトレンドは多くの場合不可逆的なので、逆風の場合は変な希望的観測を持たずPESTの変化に合わせて自社を変質させなければなりません。
よって経営者はこのPESTに常にアンテナを伸ばしておく必要があります。
次が5Force。言うまでもありませんが、ポーターの提唱した市場に及ぼす5つの力のフレームワークですね。①自社業界を中心に②売り手③買い手④新規参入⑤代替品で整理されます。
新規参入や代替品の脅威の背景には、PESTが絡んでいる事がほとんどです。代替品という視点が特に有用ですね。最近ではPESTで言うところのSとTを背景に、異種格闘技戦になることが多く、代替品という欠落すると思わぬ窮地に立たされます。
ビジネスの現場ではついつい3C的なミクロ目線になりがちですが、よりマクロな視点で自社業界を振り返ってみることをオススメします。