こんさる雑記帳

コンサルタントとして日々の仕事の中で考えたこと、二児の父として毎日の生活の中で思うことなんかを雑にまとめていこうと思います。

コンサルの価値

よく言われる議論ではありますが、コンサルの価値が相対的に低下しているという事実に直面する場面が増えてきたように感じます。

 

もちろん個々人のスキルの問題というのは多分にあるのですが、時代背景や大きなマクロトレンドによる部分が大きいのもまた事実で、コンサルサービス自体も変化が求められています。

 

コンサルの価値は大きく下記3点を源泉として形成されると考えていますが、いずれにおいても従前と比較して厳しい状況になっています。

 

1.情報格差

国内外のいわゆるベストプラクティスはもちろんのこと、プロジェクトベースで多種多様なクライアントと付き合っているため、様々な知見が貯まっていることは事実であり、これが大きな価値の源泉の一つです。

 

しかしながら以前と異なり情報を取得するのが非常に容易になってきたため、ここの価値が相対的に低下しています。

 

2.スキル格差

MBAやコンサル=高スキルとは必ずしも言えませんが、以前と異なりクライアントサイドでもMBAホルダーやコンサル出身者が増えています。またこれも情報格差と絡む話ですが、エクセル・VBAやリサーチスキルもGoogleの普及により相対的に格差が縮んでいるように思います。

 

3.ビジネス環境

以前の記事でも少し触れましたが、ビジネス環境が大きく変化し「システム」「マーケティング」の重要性が非常に高まっています。結果的にこれらを実務レベルで提供できなければ、従来型のコンサルワークのみで生き残るのは厳しくなっています。

 

コンサル各社がエンジニアやクリエイターの採用、あるいは買収に動いているのはこの流れを象徴するものと言えます。

 

ではコンサルサービスは無くなってしまうのかというとそれは無い、というのが私の今段階の結論です。ただし変化は受け入れる必要があると思います。上記1-3の裏返しになりますが方向性としては大きく2つなのではないでしょうか。

 

①プロダクト・サービス付加

今の流れの延長線上で、システム・クリエイティブなどを自社で保有する流れが一つです。最も先行しているのがアクセンチュアですね。

 

情報格差・スキル格差がある企業と付き合う

これは必然的にクライアントの規模感が小さくなっていく形になりますが、中小企業以下ではまだまだクライアントサイドのレベルが低い部分があります。

 

 

いわゆる軍師がコンサルサービスの祖業とすれば世界的に2,000年以上の歴史を持つ産業なわけで、それだけ継続している業界であるということは人間の本質的な欲求に絡んでいる部分が確実にあります。

 

意思決定に際し外部の意見を聞きたい、背中を後押しして欲しいというのがそれであり、これは確実に存在し続けますが、相談される立ち位置を確保し続けるにはコンサル業界も変わっていかざるを得ないのではないでしょうか。