こんさる雑記帳

コンサルタントとして日々の仕事の中で考えたこと、二児の父として毎日の生活の中で思うことなんかを雑にまとめていこうと思います。

人は育てられるか?

人だけが資産であり商品であるコンサルティングビジネスにおいて人材育成は極めて大きなテーマです。が、私個人的には「人は育てられるものではない、育つものだ」と思っています。

 

無責任な、と言われるかも知れませんが、個人的な経験(自身およびこれまで見てきたマネージャー)で言うと指導の粒度や量とメンバーの伸び方にはあまり関係がありません。

 

それよりも重要なのは「伸びる資質を持っているか」と「伸びる環境を与えられるか」。この2つに尽きます。

 

伸びる資質

ことコンサルティングビジネスにおいて、伸びる資質には絶対的な要件があると考えており、特に重要な資質は下記3つです。

 

 ①好奇心が強いこと

 自分の知らない領域や疑問点について主体的に情報を収集する程度の好奇心を持っていること。これが弱いとコンサルタントの「引き出し」が増えません。

 

②自分なりの意見を持っていること

自分なりの仮説・意見が、商品としてのコンサルタントの主機能の一つです。間違っていても良いので、物事について常に自分の意見を持っていなければなりません。①がインプットの観点とするならばこちらはアウトプットの観点ですね。

 

③主体性

自分がプロジェクトオーナーになったつもりで主体性を発揮できるか。主体性が強ければ必然的に①・➁が強化されます。

 

 

ただこれらの資質はいずれも日々の意識・行動の積み重ねによって後天的に身に付けられるものであり、決して先天的なものではない点は補足しておきます。

 

 

 

伸びる環境

伸びる環境の要件は「小さくても良いので自身が責任者として領域を持てること」この一点に尽きます。理想を言えばこれに「ちょっと背伸びするくらいの」が付け加わるという感じでしょうか。大企業にいる20代が本来優秀なのに伸びていないケースが少なくないのはこの環境が与えられないことが多分に影響しているというのが私の見解です。

 

マイクロマネジメントな上司はいわゆるルーティン作業の精度向上には非常に有効ですが、上記①~③が伸びづらく、どうしても作業者ばかりを育成してしまいます。

 

大本だけ握りながら後はメンバーに任せる。相談されたら相談に乗る。炎上したら責任を取る(しそうになったら巻き取る)。

 

 

そのくらいがちょうど良いマネージャーなのではないか、と思うのです。放任型マネジメントなので苦労するメンバーは少なくないとは思いますが、育ってきて欲しいなぁと願うばかりです。