出生数について考える➁
さて、一昨日の続きです。
maple-sunflower.hatenablog.com
出生数が伸びないのは①婚姻組数の減少➁婚姻組数当たり子ども数の減少(とりわけ3人以上の子を持つ世帯の減少)と書きましたが、今日はもう少し掘り下げてみたいと思います。
まず結婚組数は増やせるか、という視点。
第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)|国立社会保障・人口問題研究所
を見てみます。
まず生涯の結婚意思。一生結婚するつもりはないと回答する人が増えてはいるものの、いずれ結婚するつもりと回答している人はあまり変化がありません。
ちなみに結婚を利点と捉える女性は史上最高となっています。最近の女性にとっては結婚すること自体の魅力は上がって見えているのでしょう。
さて、では女性が結婚しない理由/結婚できない理由ですが、これは残念ながら92年以降しかデータがないものの、この20年でほぼ変化はないことが分かります。
このデータを見る限り、よく言われる「結婚したくない」「金が無いから結婚出来ない」というのは一番の理由ではなく、「相手がいない」というのが一番なわけです。
要は結婚への意欲は変わっておらず、結婚への障害(出来ない理由)も変わっていないわけです。ただ未婚率だけは上がっていっています。
その原因はやはり「お見合い婚」ということになるのではないでしょうか。(ちなみに92年の見合い婚構成比は12.7%ですが2015年調査では5.3%、分母が下がっていることを踏まえると見合い婚は激的に減少している)
お見合いの世話をしてくれる人がそばにいれば「適当な相手がいない」「異性とうまく付き合えない」という人が結婚出来る可能性は上がります。ある程度双方のキャラクターも理解した上で引き合わせてくれるわけですから。
では現代ではどうでしょう。
お見合いに代わり、マッチングアプリや行政等主催の街コン、結婚相談所などの様々なサービスが出てきています。これらに期待したいところですが、見合いと異なりマッチングアプリや街コンには①個々人の主体性が重要(恋愛苦手な人には難しい)➁参加者のクレデンシャルが取れない(いわゆるヤリモクの人間が一定混ざる)ため難しいでしょう。
あり得るとすれば結婚相談所ですがお金が掛かります。対面で個々人の性格も見ながら世話をするわけですし、ビジネスですから当然ですが、数十万払うというのはなかなかハードルが高いのではないでしょうか。
では行政が結婚相談所に補助金を入れるなりして無償に近くすれば、と思うかもしれませんが、そうするとマッチングアプリ・街コンのように本当は結婚したくない人が大量に入ってきて荒れてしまいます。
なので個人的には婚姻組数を増やす、というのは現実的には打つ手がない、と考えています。では婚姻組数当たり子ども数はどうでしょうか。
これは明日記事にしたいと思います。