出生数について考える①
先日、2019年の出生数が90万人を切る見通しになったという報道がありました。遅かれ早かれ90万人を切るのは確実視されていたわけですが、人口問題研究所の2017年時点での予測より2年も早まったとのこと。
出生数、すなわち人口は経済・国力の根幹であり、本来国の最重要アジェンダの一つです。今日本で起こっている多くの問題も出生数の減少(≒人口オーナス期に入った)が原因になっています。
既に手遅れという話もありますが、それでも一刻も早く何がしか手を打たなければなりません。
では、そもそも何故出生数が減少しているのでしょうか。出生数をざっくり変数に分解すると、出生数=婚姻数(=人口×婚姻率)×婚姻組数当たり子供数になりますが、それぞれの変数について見ていきます。
まず第1に婚姻数。
婚姻数・婚姻率ともに低迷を続けています。結婚適齢期人口は今後さらに減少するわけですから婚姻率を大幅に引き上げないと婚姻数は今後も大きく減っていきます。
次に婚姻組数当たり子供数。実は結婚した夫婦のうち、子どものいない世帯は1980年頃と比較して倍増はしているものの6.2%程度で、94%の夫婦は子どもが生まれています。
むしろ大きく減少しているのは子どもを3人以上持つ世帯であり、これが婚姻組数当たり子供数の減少に大きく影響を与えていると言えます。
出所)http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/NFS15_report4.pdf
要は出生数に関わる変数全てがマイナス、という構造になっているわけですが、その要因は何でしょうか。
①婚姻組数の減少理由
色々と言われていますが、個人的には「見合い結婚の減少」=「結婚しなくても許容される風潮」になってきたことの1点に尽きると思います。
下記データが非常に面白いのですが、1970年前後で見合い結婚と恋愛結婚が逆転しています。一番上に上げた婚姻率のグラフを見ると1970年頃から大きく婚姻率が低下しており、ぴったりリンクしていると言えます。
➁婚姻組数当たり子供数の減少
これは晩婚化が最大の理由だと考えています。昭和は男女とも20代でしたが、平成21年以降、男女とも30を越えています。
出所)https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/tokusyu/konin16/dl/gaikyo.pdf
妊娠の確率は男女とも若い方が高いわけですし、30代前半に第一子となると体力的にも3人目まで育てるのがシンドイ、という形になってしまうと思います(ちょうど我が家がそう)。
というわけで、どこから手を付けていいか分からないほどシンドイ状況にあるわけですが、明日以降、もう少し掘り下げて書いてみたいと思います。