こんさる雑記帳

コンサルタントとして日々の仕事の中で考えたこと、二児の父として毎日の生活の中で思うことなんかを雑にまとめていこうと思います。

セルフレジは普及するか?

本日の日経新聞にこんな記事が。

 

www.nikkei.com

 

セルフ(無人)レジがある程度うまく機能すれば、店舗にとっては人件費が下がる、ピーク時のレジ回転率が向上し機会ロスが減少し売上が上がるという明確なメリットがあり、働き手の確保の問題も軽減できる可能性があるため、定着させたいというのが多くの小売業の本音でしょう。

 

そういった背景もあり、一昔前よりも明らかにセルフレジは増えてきていますが、実際に利用されているかというとまだまだ一部のユーザーが使うにとどまっているというのが実態だと思います。私のよく利用するコンビニやスーパーでも、有人レジは大行列にも関わらずセルフレジには誰もいない、という場面をよく目にします。

 

何が普及を阻んでいるのでしょうか。

 

現金主義はもちろんですが、それ以外に

①利用プロセスの煩雑さ

➁(①に関連して)セルフレジ利用のインセンティブが弱い

の2点が挙げられると考えており、これらの解決が伴わなければセルフレジが普及することはないように思います。

 

 

 

①利用プロセスの煩雑さ

多くのセルフレジでは、対応している決済手段がありすぎるため、ユーザー側が決済時に何で決済をするかを逐一選択する必要があり、これがなかなかに手間です。

 

時間にしたら数秒ですが、いちいち選択する手間を考えると、レジでお願いした方が楽だし、「面倒くせぇ」と感じる人も少なくないのではないでしょうか。

 

ファミリーマートでは、Tポイントカードの有無から入り、その後決済の系統(交通系か否かなど)を選んでから決済となりますが、仮に将来全てのレジがこれに切り替わったらレジ回転率はむしろ悪化するでしょう。

 

決済手段を限定し(ないし決済手段を顧が選ぶ必要性をなくし)、「商品のバーコードを読む」「決済」という2アクションに留めなければ厳しいと思います。

 

➁セルフレジ利用のインセンティブ

そういう意味ではSUICAのみに決済手段を絞っているJR東日本系のNEWDAYSは利用プロセスの煩雑さというハードルはクリアしていると言えますが、それでもまだまだセルフレジ利用者が少数派であることを考慮すると、やはりインセンティブが必要なように思います。

 

 セルフレジのユーザーメリットは現時点で「行列に並ばなくて良い」という以外にありません。その行列も限られた時間帯であることを踏まえるとユーザーが自主的にセルフレジに切り替えるのは難しいことは自明でしょう。

 

①・➁を既に有人レジのある店舗が対応するのは難しいというのが私個人の考えです。

むしろ今回のミニストップのように、使わざるを得ない状態にするというのが、今時点では最適な方法なのだと思いますが、店舗間での競争という意味ではかなり厳しそうです。このあたりはまた別の機会に触れてみようと思います。