創造性におけるAIの活用可能性
昨日触れた通り、これまでプロダクトアウトが中心だった領域においてもマーケットイン的な思想が必要になってくることは確実だろうと思います。
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一方でマーケットインの思想が行き過ぎてしまっても良いことではないと個人的には思います。
音楽やアートの世界におけるマーケットインとは、結果的に売れている先行作品に似通る形になるため、多くのアーティストがマーケットインを取り入れると多様性がなくなり、似通った作品ばかりになってしまうと思います。ファストファッションの登場によって激震を受けたアパレルの世界で起きたことと同じようなことが起きるでしょう。
また、気にしなければならないのがAIです。AIというと新しいものを創作するのが苦手というイメージがあるかも知れませんが、無数にあるデータから共通点を見出すというのはAIの得意とするところです。
音楽はそもそも全てがデジタル情報なので、実は最もAIが得意とする領域の一つなのではないでしょうか。売れている音楽の類似性を見つけ出すことは人間よりもはるかに容易にやってのけるでしょう。既にアメリカではAIによる楽曲制作も進んでいると聞きます。
アートの世界でも1,000人以上の芸術家の画像を使い、AIにオリジナルの芸術作品を創作させたところ、プロの評論家にも違いが分からない、あるいは人間の作品よりも高い評価をされるケースもあったようです。
アートの世界の場合「誰が創造したか」も非常に重要な要素となるため、すぐにAIが作った作品が当たり前になるとは思いません。引き続き、ベースとなる部分のクリエイティビティは非常に重要ということになるでしょう。
ただしAIも含めた「様々なデータを駆使し改善・改良するための仕組み」と「それを活用するスキル」も今以上に重要になってくるということなのではないでしょうか。