こんさる雑記帳

コンサルタントとして日々の仕事の中で考えたこと、二児の父として毎日の生活の中で思うことなんかを雑にまとめていこうと思います。

yahooによるzozo買収について

今朝は激震でしたね。Yahooによるzozoの買収とそれに伴う前澤氏の退任。発行済株式数の50.1%を上限(下限は33.4%)に買い付けて子会社化を目指すとのことですが、買い付け価格2,620円。約1年前は5,000円手前まで行っていたことを考えると買い付け価格も寂しい部分があります。

 

www.nikkei.com

 

個人的には前澤氏およびzozoの動きは着目していたので、株主としては(株主ヅラするのもおこがましい程度の株しか持っていませんが)やや残念な部分もあります。賛否と成果は別としても、zozoスーツの開発からPBという流れは素晴らしかったと思いますし、まだまだ前澤氏の少しかっ飛んだ発想を見ていたかったのですが…。yahooおよび後任の沢田社長の手腕に期待しましょう。

 

さて、今回の買収をyahoo視点で考えてみます。彼らは何を狙っているのでしょうか。下記リンク内に記者会見での発表内容がありますが、個人的には一番の狙いはやはり決済領域(PayPay)だと思います。

www.itmedia.co.jp

 

yahooにおける最重要アジェンダの一つがこのPayPayによる決済領域でのデファクトスタンダード獲得であることは疑いようもありません。中国においてはこの領域においてはほぼアリババ(EC)とウィーチャット(コミュニケーション)で固まりつつありますが、仮に日本でも中国と同様、そもそも非現金のトランザクションが一般的でエスクロー機能を担うEC出自のプレイヤーとDAUの高いコミュニケーション系出自のプレイヤーが生き残ると仮定を置くと有力な候補として上がるのが、前者がPayPay・メルペイ(AmazonPayが本気を出したらヤバそうですが、今のところその兆しは見えないのでここでは除外)、後者がLINEペイです。

 

そういう意味でYahooが強く警戒しているのはメルカリのように見えます。そもそもYahooオークションの牙城であったCtoCの市場を切り崩され、主要QR決済としては最後発でメルペイをローンチ。メルカリの直近のMAUは1,350万人となっており、現在も増加中。かつ最近ではメルペイのCM放映もスタートしているため、今後大きくユーザー数を増やしてくるでしょう。この対抗措置として有効なオプションがzozoだったのではないでしょうか。

 

アパレルにおいては圧倒的な存在感を持つzozoの顧客基盤にアクセス可能になる点はもちろん、個人的にはzozoはメルカリと同様、ユーザーに若年層や与信の低い層が多分に含まれている点も魅力的だったのではないかとも思います。

 

この決済領域については今後数年で決着が付くと思いますが、行く末に注目したいと思います。