コンサルとして必要なスキル
コンサルとして必要なスキルというと真っ先にロジカルシンキングが浮かぶのではないでしょうか。実際コンサル=ロジカルモンスターというイメージで捉える人も少なくないと思います。事実、ロジックが弱い人はこの業界で苦労することも多いです。
一方でロジックだけで大成するのも難しく、むしろパートナークラスは人間的にも面白い/好かれるタイプ、即ち人間力の高い人が多いと思います。
これはコンサルの仕事の本質がクライアント企業を動かすこと、つまりは人を動かすことにあるからです。そのためにはロジックだけでは片手落ちで、人間力が必要です。まさに渋沢栄一の言う「論語と算盤」が求められるわけです。
平たく言えばコミュニケーション力という言葉で言い換えられると思いますが、私がコンサルとして心掛けているのは下記3点です。
①リスペクトを示す
犬が人間にこれだけ可愛がられているのは「とにかく愛情を示すからだ」と言われていますが、対人においてもリスペクトの有無は非常に大きな要素です。どこか必ずリスペクト出来る部分があるはずで、そこをベースにコミュニケーションを図ります。
リスペクトがないと何かと課題を指摘するようなコミュニケーションになりかねません。これまでに様々な経緯があって今があり、そこに至るまでにはクライアントなりに色々な考えや理由があったはずです。「業界素人である自分が気付くような課題に向こうが気付いていないはずはない」と立ち止まってその背景に思いを馳せるためにも相手へのリスペクトが第一歩だと思います。
②相手が認めるポイントを作る
何でも良いので相手からリスペクトされる部分を作る必要があります。これは相対的なものなので確実にこれだと言えるモノはないのですが、大原則としては相手の土俵に乗らないということが言えると思います。
そもそもその事業においてクライアントは十年単位で経験を積んでいるわけで、ただでさえ若い人間(私はもう若くないですが)が正論をぶつけても100%跳ね返されます。もちろん業界素人だからこそ言える部分もあるのですが、関係性があって初めて成り立つ会話です。
別業界の知見・実績などがあればそれが一番ですが、そういったものがない若手の場合は単純にクライアント内での改革に対して誰より熱意を持ち、ある程度力業で(沢山働くとかも含めて)認めさせるというプロセスが必須だと思います。(当然ですが、シレっと頑張っててもダメで、クライアントに対するセルフブランディングが必要)
③相手が本当は何を求めているか言葉の裏側を掘り下げる
そもそも自分の要求を正しく言語化出来る人間は稀有であり、多くの人は自分が本当は何を求めているのか/何がしっくり来ていないか理解出来ていません。質問して掘り下げながら、何を望んでいるか/何が問題かを少しずつ整理していくプロセスが必須です。
この対話を恐れる人もいますが、ここに踏み込まないとどこかで地雷化してしまいます。
という感じでしょうか。
とは言え、書きながら①~③を実現するにはコミュニケーションの基礎みたいな部分が大事なような気がしてきました。
そのあたりは改めて考えをまとめ記事にしたいと思います。