WeworkのIPO撤回について
あちゃーという感じですね。
後出しじゃんけんではいくらでも言えるので、あまり批評っぽくなるのはアレですが、Wework自体を誤解されている人も多い(というか日本のモデルだけを見るとそうされても致し方ない)ので、補足もしながら私なりの意見を。
まずWeworkのビジネスとは何かという点ですが、一般にイメージされている"おしゃれなシェアオフィス"ではありません。その本質は「価値の付いていない物件を安く買い付け、低コストでオシャレな内装とし、アンバンドル(=細分化して売る)することで高く売る」というものです。
アメリカで立ち上がった際にアンバンドルが最もニーズがあったのがたまたまオフィスであっただけで、実際に彼らはWeliveという住宅事業も行っています。
どちらかというと東京R不動産のようなリノベーション×オープンハウスのようなアンバンドル販売というイメージでしょうか(オープンハウスの良し悪しはここでは書きませんが、土地をアンバンドルするという彼らのスタンスはある意味凄い)。
日本ではあまり知られていませんが、WeWorkがアメリカで旋風を巻き起こした際に言われてた強みはBIMによる物件の3Dスキャンとそれを活用することによるコストダウンです。
しかし日本展開ではこの強みが活かされているようには見えませんでした。新しいビルに出店しているケースが多いからです。そもそも精度高い図面があればBIMでどうこうという話でもないですからね(なおBIM自体はゼネコンでは2000年代後半から使われていますし)。
またそれが原因によるものなのか分かりませんが、アメリカにおけるweworkの位置づけと異なり、相対的に割高だったというのも挙げられると思います。日本の場合、フリーランスの母数が少なかったり、国民性の問題なのかコミュニティが出来づらいというのもあるかもですね。実際シェアオフィスで働いている人に話を聞くとそういう意見が出て来ます。
まぁ今回のIPO撤回は日本市場云々の話とは別ですが、上記のようなことを念頭に置ければこと日本国内の事業においてはやはり極めて懐疑的です。
一応今後も継続的にウォッチしていきたいと思います。