擬似サブスクに注目
日本全国の映画館/水族館/美術館/博物館に月額3,980円で行き放題を謳うサービスが。
まだベータ版ということで、詳細なサービスの中身は分かりませんが、どうやら3,980円の会費を払うと、premy内で映画館等の半券を買い取るモデルの模様。
運営元であるファイナンシャルワンはレシート買取で話題になった会社で、これもレシート買取の発展形と言えますね。(買取に上限を付ける模様)
映画館等のサブスクモデルは欧米で多数の失敗事例があり、うまくいくかは分かりませんが、半券買取で擬似サブスクっぽくするという形は仕組みとしては非常に賢いと思いました。
ローンチ初日から実質的に全施設と擬似提携可能
これが素晴らしいですね。とゆーかこれだけが素晴らしい笑
プラットフォーマーとしてサブスクを提供する場合、通常はサービスの提供会社と提携する必要がありますが、会員限定で半券を買い取るというモデルの場合、その必要は全くありません。
premy側が買い取る半券の施設やコンテンツを決めるだけ。通常プラットフォームの立ち上げ期はサービス提供も限定される場合が多いですが、これなら初期ユーザーにいきなり高付加価値を提供できます。
一方でいくつか懸念点が。
不正の横行
レシート画像で良いため、不正をする人が確実に出るはず。そういう人をどう排除するのか。なかなかに難しい問題です。
年間パスと戦えるのか
このビジネス立ち上げた人、あまり水族館行かないんだろうなという気が。どこもだいたい年間パスがあり、水族館であれば2・3回行けばペイみたいな価格設定が多いんですよね。博物館も年パスは数千円。このサービスより多分安い。となるとメインユーザーは映画好きなんでしょうね。
どうやってビジネスとして成立させるのか
ユーザー目線に立つと基本的に会費をペイしようとするはずです。半券買取額を常に会費より下回らせないとビジネス的に儲けが出ません。
ただそうするとユーザーとしては全然元が取れないサービスになるわけで、これをどう両立させるのでしょうか。
アメリカの映画サブスクは当初想定したより休眠客が出なかったことで逆さやになってしまったようで、同じようなパターンに陥る可能性は少なくないでしょう。
ではどのように両立させるのか。私の想像は下記2つです。
想像①広告モデル
あえて半券をアップロードさせるモデルになっているため、必然premyのサイトなりアプリを定期的に開くことになります。
これを利用して広告費を取るという形は考えられなくもありません。
想像②対映画館交渉力確保→値入交渉
仮に一定の資本があり、逆鞘状態でも耐えられるのであれば、とにかく会員を増やしきることに集中し、一定のシェアを確保した後にその送客力を武器に映画館などの施設と交渉するというのも可能性としては考えられます。
ただどちらもなかなか実現性はシンドイ気が。どうなることやら、今後も注目してみたいと思います。