サブスクリプションサービスの本質
サブスクリプションサービス全盛ですね。猫も杓子もサブスク。ただその本質をちゃんと理解していない人も多い気がします。
そもそもサブスクリプションって何?
本来は雑誌の定期購読を指す英語だったわけですが、現在では「物を買い取るのではなく利用する権利を買う」という意味合いで使われることが多いのではないでしょうか。ただこれだとレンタル/リースと本質的には変わりません。
個人的には「利用回数」「利用内容」に関わらず「定額」であることをサブスクリプションの定義としており、いわゆる従量課金となるものや単品ごとに価格が付いているものはサブスクリプションと見なしていません。なぜそういう定義をしているかというと、その要件を満たすことで初めてサブスクリプションとしての価値が出てくると考えるからです。
サブスクリプションの価値
サブスクリプションが顧客にもたらす価値は何でしょうか。一つには単位取引当たりのコストが下がることが挙げられます。一方でこれだけでは企業側のメリットは薄く単純に収益悪化の結果に繋がります。これでは永続性に欠けてしまいます。
サブスクリプションを取り入れるということはLTVの引き上げとチャーンレートの引き下げにコミットすることとほぼ同義です。
そういう意味では中長期的にサービス/プロダクトの品質を引き上げ続け、顧客をリテンションしなければなりません。顧客にとって長く付き合うことにメリットを感じさせなければならないわけです。
よって購入後の顧客に対するパーソナライゼーションが必須になると考えています。
アップデート出来ない商材はサブスクリプションモデルには向かない
パーソナライゼーションが必須になるとすると、そもそも顧客が一定以上の頻度でサービスを利用すること(顧客の嗜好がある程度類推できること)、顧客の嗜好に合わせてサービスがアップデートできることの2点を満たせない商材はサブスクリプションモデルは不向きです。
そのため家具や車などの低購買頻度品では成功の芽は限りなく薄いと考えています。逆に書籍やアパレル、コンテンツビジネスは極めて相性が良く、今後ますますこのモデルが増えていくのではないでしょうか。
個人的には書籍のサブスクリプションサービスが普及することを願ってやみません。