論理構造を意識する
結論から話すというのはビジネスにおいて基本のキではありますが、一方でその結論に至る論理構造が非常に分かりづらいという場面にチラホラ出くわします。
その要因の多くは単純で結論に至る論理構造が意識されていないからです。基本的に論理構造は演繹法と帰納法しかありません。
以前にも演繹法と帰納法には触れていますが、念のためそれぞれを図解するとそれぞれ下記のようになります。
AならばB、BならばC、Cならば結論、という論法ですね。
AかつBかつCだからこういう結論が導かれるという論法ですね。
ただビジネスの場面では、そこまでシンプルにまとまった論理構造というのはなかなかなく、通常は下図のように帰納法と演繹法が組み合わされたもっと複雑な論理構造になります。
この時、分かりづらい話をしてしまう人のパターンは 2つあります。
1.論理の飛躍・欠落
典型的な例は誤った演繹の使い方。例えば「無人店舗が広がらない最大の理由は設備投資である」 。明らかに自明な前提以外でいきなり演繹的に結論を持っていくのは非常に危険です。
この主張をするなら最低限必要な論理は本来「設備投資が過大である」「投資に見合ったリターンが見込めない」、"最大の"という意味では「設備投資に勝る他の理由はない」の3点です。
ビジネスにおいて結論を導く際には演繹ではなく帰納法的アプローチを心がけるべきでしょう。
2.論理展開が悪い
上記の図で言えば「結論はこうです。その理由はA・B・Cです。まずAについて説明します…」という論理展開であればすっと落ちるのですが、「結論はこうです。XX、XXだからAです。XX、XXだからBです。A、B、Cだからこのような結論になります」という話し方をする人が少なくありません。
論理展開としては、常に上の階層から下の階層にというのがセオリーで、結論に繋がるブランチが3つある場合に、いきなり各ブランチの説明をされると全体感が分かりません。
話すにせよ、資料に落とすにせよ、どのような論理構造になっているかは常に意識することを心がけてみてはいかがでしょうか。
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