こんさる雑記帳

コンサルタントとして日々の仕事の中で考えたこと、二児の父として毎日の生活の中で思うことなんかを雑にまとめていこうと思います。

帰納的インプットと演繹的アウトプット

広く知られる思考法として大きく演繹法帰納法があります。それぞれ長所と短所がありますが、プレゼンであれ文字で何かを主張するのであれ、基本的な論理骨格はこのいずれかの形にしないと伝わりづらいという意味で確実に抑えておくべきです。

 

演繹法とは

演繹法とは一般的な前提から推論を重ねて結論を導くもので、代表的なのが三段論法です。

 

具体例で言えば「人はいつか死ぬ」「Aは人間」よって「Aはいつか死ぬ」ってやつですね。

 

演繹法は前提が正しければ結論は確実に正しくなります。逆に誤った前提を置いてしまうと成立しなくなります。広く一般的な前提以外で使おうとすると誤った主張になることも多くなります。

 

例えば「優秀な人は忙しい」「Aは忙しい」よって「Aは優秀」とはならないですよね。

 

そもそも「優秀な人は忙しい」というのが普遍的な事項ではない上に「優秀だけれど忙しくない人」「優秀ではないけど忙しい人」が論理上漏れてるため違和感のあるロジックになります。

 

そういう意味では途中の論理構成と前提の確からしさを必ずチェックしなければなりませんが、とは言え納得させるためには演繹的なアプローチの方が有効な場合が多いと思います。

 

 

帰納法とは

帰納法とは複数の個別事情から何がしかの共通項や因果を導き出して結論付けるものです。

 

「Aが死んだ」「Bが死んだ」よって「人はいつか死ぬ」といった論理構成ですね。

 

いわゆる「アナロジー」も大きく言えば帰納法です。「人は死ぬ」「猿も人に似ている」よって「猿も死ぬ」というものです。

 

帰納法から得られる推論はあくまで推論の枠を出ない上、納得感のある推論でない場合、いくらでもツッコミ所が出てきてしまうというのが難点です。

 

ただ演繹法と異なり発想を広げることが出来ますし、初期仮説を組む場合には帰納法なアプローチは非常に重要になります。

 

 

インプットは帰納的にアウトプットは演繹的に

すでに記載した通り他者を論理的に納得させるには演繹的なアプローチの方が有効です。一方仮説を組み上げるには演繹的なアプローチでは難しく、帰納的なアプローチ(特にアナロジー)が必須になります。

 

いずれにしても分かりやすいアウトプットという意味では、論理の骨格がどうなっているかには細心の注意を払いたいものです。