営業部門の進化
営業部門は会社の売上を作る最も重要な機能の1つですが、特に属人性の強い個の営業力に依存して成長してきた会社が必ずぶつかる壁があります。
それが仕組み化の壁です。
組織が一定以上のサイズになってくると、新しく入ってくる人材の質は、少なくとも営業マインドという観点においては下がるケースが多く、個に依存した体制のままでいると確実に成長が鈍化します。
そういったいわゆる普通の人材を一定以上のレベルの営業マンに引き上げるためには、個の強い営業力を属人的なものから再現性のあるものとするための仕組み化が必ず必要になります。
しかし多くの企業では個の力で営業実績を挙げてきた人が営業部門の要職についているため、なかなか仕組み化が進みません。正に「名選手、必ずしも名監督にあらず」という状態に陥ります。
このような場合、営業企画機能を作ることが非常に有用です。この営業企画機能とは、軍隊に例えれば現場部隊の参謀や兵站部隊にあたり、現場の状況を分析し、営業部隊に有用な武器を渡す仕事です。
典型的には
①いわゆるベストプラクティス分析から有効なアプローチを言語化し、マニュアルや研修に落とし込む
→少なくとも初期は属人的な営業を許容しない
②中間KPIを取得、モニタリングする
→結果しか見ていない場合も多い、特に個人間のバラツキと時系列推移を注視
③中間KPIの影響変数を見極める
→中間KPIを取ったは良いものの、打ち手が単純に問題の裏返しになっている場合もある(実際にあった例では、アプローチ数は良いけどクロージングが少なくなったからクロージングを増やします、というような笑)。影響変数を細かく因数分解することが重要。
④各変数に有用と思われる施策を考える
あたりがその主機能と言えるでしょうか。
個の営業力でのし上がって来た人ほどこういったマニュアル化、仕組み化を嫌いますし、言語化や分析が苦手な人も多いです。
しかし1人のスーパーを期待するよりも、そこそこレベルを量産する方が組織としてはどう考えても効率が良く、取り組まない手はないのではないでしょうか。