シェア(C2C)ってシンドイ
シェアサービス、いろいろな領域で一般化してきているような印象がありますが、実態としてはB2CとC2Cに大別されます。
B2C型はいわゆるサブリースに近い形態が多く、オーナーの所有するものを運営者が一括で借り上げてCにシェアする形。
シェアオフィス(wework)、シェアハウス(かぼちゃの馬車→破綻しましたが)、カーシェア(タイムズ)、シェア自転車(mobike)あたりが代表例。サブリースでは無いですが、家事代行のカジ―やベアーズもサービス提供者が社員という形であるという意味ではこちらに含まれます。
一方でC2C型。これが本当の意味でのシェアビジネスですね。
民泊(Airbnb)、スキルシェア(Visasq)、スペースシェア(スペースマーケット)、ライドシェア(UBER)・カーシェア(Anyca)・クラウドソーシング(クラウドワークス)・生活スキルシェア(タスカジ)あたりが代表例でしょうか。
前者のB2B型はジャンルによってはそれなりにスケールすることもあり得るでしょうが、後者のC2C型はかなり厳しい、というのが個人的な見解です。
売上=GMV×マージン率になるわけですが、後者は対競合という意味では上げづらい変数です。個人から見れば儲かるプラットフォームが最優先なわけですから当然の話です。後発競合はマージン率を低くしてきますしね。
そのため基本的にはGMVを上げていく方向になります。
ではGMVはどう上げるか。
GMV=契約数×契約単価ですが、まず前者。
契約数を上げるためには①サプライサイドを集める➁デマンドサイドを集めるの両輪を回さなければなりません。これがシンドイ。
通常のビジネスであればサプライサイドは自社リソースのため、ある程度コントロール可能ですが、C2Cの場合はこれがコントロール不能なため、サプライ<デマンドとなると「利用したい時に利用できない」となりますし、サプライ>デマンドとなると「売れないから他のプラットフォームに行こ」となります。
単純に大規模な広告を展開すれば良いというものではありません。シンドイ。
では後者。契約単価ですが、これもシンドイ。
サプライサイドの個人はプラットフォームのことなど考えていないので、単価を維持するモチベーションはありません。どちらかと言うと競合を見ながらそれを少しくぐった単価設定にするという人が多いはずです。(私がメルカリに出品する時もそうですし)
なので、C2C型のシェアビジネスでスケールしようとすれば、プラットフォーム参加者を増やし、それらのIDをベースに他のビジネスに転換していくしかありません。
メルカリで言うメルペイのように。ただそれすらもMAU/DAUの高いジャンルでなければ難しいでしょう。月1回程度しか使用しないサービスの顧客データをどれだけ取ってもあまり価値のあるデータにはなりません。
C2C型の未上場会社にも比較的高いバリュエーションが付いていると予測される企業もありますが、そろそろ弾けるんだろうなぁとぼんやり眺めています。