こんさる雑記帳

コンサルタントとして日々の仕事の中で考えたこと、二児の父として毎日の生活の中で思うことなんかを雑にまとめていこうと思います。

キャッシュレス店舗って実際どうよ?

昨日はミニストップのセルフレジの事例について触れました。

セルフレジは普及するか? - こんさる雑記帳

 

強いユーザーインセンティブが作れない現状では使わざるを得ない状況を作るのが1つの最適解であることは理解しますが、類似ケースである「飲食店におけるキャッシュレス」が苦しんでることを考えると厳しい目を向けざるを得ません。

 

キャッシュレスも古くて新しいテーマで、店舗にとっては現金に絡むオペレーションが軽減されるという明確なメリットがあるものの、ユーザーメリットが少ないという意味合いではセルフレジと同じテーマであるとも言えます。

 

実は飲食店では既にキャッシュレスの店舗が出てきています。有名なのがロイヤルホールディングスの「Gathering Table Pantry」です。

 

下記に詳しいので詳細はリンク先で。

「現金禁止」は受け入れられるか ロイヤルHDが1年試した成果:日経クロストレンド

ロイヤルホールディングスが完全キャッシュレス店舗に踏み切った理由|Have a good Cashless.~ いいキャッシュレスが、いい毎日を作る。~

 

記事内でも触れられている通り「100対0で振り切ったから出来た店」ではありますが「売上は現金併用店と比較すると劣後してしまう」というのが実態です。

 

世のお父さんにはカードを持たされずに現金支給のお小遣いでやりくりしている人も少なくなく、1人でもそういう人が含まれるグループはこの店舗をチョイス出来ません。ユーザー側のメリットも特段感じられません。

 

よほど目的来店性の高い店舗なら別として、競合と客を取り合っている多くの飲食店オーナーがそれらのグループを失うリスクとオペレーション軽減をどう天秤に掛けるかという話ですが、私がオーナーであれば売上最大化に意識が向くでしょう。

 

また、現金だと税金をごまかす(要は脱税)ことも容易ですがキャッシュレスだと不可能です。

 

それらを踏まえるとやはりキャッシュレスも普及には相当の時間が掛かりそうです。

(大手資本による寡占が進む小売より個人店の多い飲食店の方がさらに時間が掛かるでしょう)

 

ブレークスルーするにはセルフレジと同様、強烈なインセンティブとエフォートレスなUX、チュートリアルが必須になるのではないでしょうか。