マッシュホールディングス②
昨日に引き続きマッシュホールディングスの好調要因仮説を。
昨日の①・②が圧倒的なポイントだと思うので、下記はあくまでもサブな位置付けではありますが。
③商品企画力
最近のアパレルは期中企画と呼ばれる流行後追い型生産(これを極めているのがH&M)が少なくなく、結果としてどこも同じような商品を並べるというのが一般化していますが(特にセレクトショップと低価格で顕著)、マッシュホールディングスは後追いはしないというスタンスを徹底しています。
他社と違うものを求めるユーザーに対してはこのスタンスがとても重要です。
④自社EC
ZOZOをはじめとするプラットフォームに依存せず、自社のECモールを別会社で運営させています。
一見、昨今のOMOの流れと相反するように見えますが、これもメリットがあります。それは店舗が売り切ろうとすること。
易きに流れるのが人間の本質でECに流せば良いとなるとそうなってしまうのが普通ですが、あえてそうせずに店舗に売る力を求めるというのは各社がOMOに走っている今だからこそ重要な視点です。
また収益性、CRMの観点から見ても絶対的にメリットがあります。
⑤SNS運用
SNIDEL、gelato pique、Mila Owenはインスタでフォロワー30万人越え、FRAY I.Dが20万人越えです。
MOUSSYやSLYには劣るものの、立派な数字です。ちなみにUAが29万人、SHIPS10万人。
SNS(特にインスタ)が雑誌的な役割を果たす中でフォロワー数とは雑誌の発行部数に匹敵するものです。
ファッション誌が軒並み20万部を切る中で、インスタフォロワーは認知・想起を獲得する上で非常に重要です。
⑥時流
やや①の話と被りますが、大きなトレンドで言えば、今はヨーロピアンカジュアルのトレンドだと言えると思います。
女性向けのチェスターコートを目にすることが増えたりオーバーサイズのコートが流行したりする一方、襟口にボアが付いているようなエレガンスなデザインが減っていることも一つの象徴ではないでしょうか。
この時流にSNIDELやMila Owenなどのヨーロッパ風のエレガンスな雰囲気を残したカジュアルスタイルがカッチリハマっているように思います。
今は時流や時期が噛み合ったことで非常に良い流れが作れているように思いますが、移り変わりの早いレディースアパレルにおいて、どのように変化に適応していくのか引き続き注目していたいと思います。