こんさる雑記帳

コンサルタントとして日々の仕事の中で考えたこと、二児の父として毎日の生活の中で思うことなんかを雑にまとめていこうと思います。

プロフェッショナル

東京駅に創業60年超の名物とも言える靴磨き職人の方がいらっしゃいます。本業は絵描き。丸の内で個展を開いたりするような方で、絵だけでも食えるはずですが未だに続けていらっしゃいます。

 

昔、隣で一緒にやっていたお兄様は他界されてらっしゃいますが、以前お兄様に聞いた話に寄れば、靴磨きで人脈を作れというお父様の教えを守ってやっているのだとか。

 

もちろん利権という側面もあるでしょうが、その技量と価格を考えると都内一で、未だにちょこちょこお世話になっています(ちなみに顧客の8割は丸の内以外の勤務だそう)。

 

ビジネスの中心丸の内で長く靴磨きをやっていらっしゃるだけあり、顧客も社会的地位の高い方が多いため、その知見も幅広い。まるで銀座のクラブのホステスの方々のようです。

 

今日も、他の先進国と比較して一人当たり生産性が低く、人口も減っているのに働き改革で労働時間を減らして、一体どうやって他国と伍していくのかと日本の未来について憂いていらっしゃいました。

 

そんな彼に靴磨きとして一流になるための条件を聞いてみたのですが、回答は驚くほどシンプルで、

・諦めないこと

・追究し続けること

の2点を挙げていらっしゃいました。

「ビジネスやスポーツと何ら変わらないよ」と。

 

彼曰く

「突き詰めればどのように革に墨を浸透させていくかだけを追究する仕事」

「ベストなやり方は気候や革の状態によって変わる。これには正解がなく未だ道半ば。今も試行錯誤している。この追究をやめたらプロではなくなってしまう。」

「大前提として諦めないこと。これに尽きる。」

のだそうです。

 

自分の仕事を本質シンプルに捉え言語化出来ている点が素晴らしいと思いますし、いずれの言葉もその道のプロとして非常に含蓄のある言葉だと思います。

 

一見すると単純な作業に見える靴磨きを、ただの反復作業とせずに仮説検証を繰り返す、そんなシンプルなことをあきらめずに続ける。

 

プロフェッショナルとして見習うべき存在の一人です。