ランタンとスポットライト
赤ちゃんはとても興味が移ろいやすく、何かに集中しているかと思ったら次の瞬間にはそれをすっかり忘れたかのように次の興味の対象に向かっていく、という行動を繰り返します(もちろん一定以上個体差はありますが)。
好奇心の固まり。大人の事情なんてお構いなし。まだ自我がないので当たり前なのですが。
この赤ちゃんの好奇心はランタンに例えられます。自分の周りをボンヤリと照らす。
ただ近くにあるものを色々照らしてしまうので何か一つに深く集中するのは難しい。
また、どこかに焦点の合った光ではないので、決して遠くまでは照らせない。
この対比として大人はスポットライトと呼ばれます。見たい方向を照らすと遠くまで光が届く。不必要なものは照らさない。照らした方向にだけ集中することができる。このおかげで大人は社会的な生活が出来ます。
もしも大人が子どものように、出勤時に床のゴミが気になったり、道端の草を気にしたりしていたら時間通りに出勤なんて出来ません。
ただ決定的な弱点もあります。特定の方向以外には全く光が届かないこと。
大人の好奇心はスポットライトであるが故に子どもでは気付くような些細な変化や面白い事に気付けません(これは親になると痛感します)。
そしてこのスポットライトは基本的に方向が固定されてしまっており、必然的に入ってくる情報は偏ってしまいます。
コンサルタントは職業がら多面的な情報を保有していた方が顧客コミュニケーション、仮説構築といった点で有利であり、「好奇心」が非常に重要です。
しかしコンサルタントになるような人間は往々にして仕事に対する意識や行動習慣、趣味や交友関係自体マスから大きく離れているケースがほとんどです。
それでなくても偏っているわけですから、人一倍自分の好奇心がスポットライトである事を自覚した上で行動や習慣を工夫し、出来るだけ情報が偏らないようにしないといけません。
自戒も込めて。