こんさる雑記帳

コンサルタントとして日々の仕事の中で考えたこと、二児の父として毎日の生活の中で思うことなんかを雑にまとめていこうと思います。

書店について考える②

昨日の続きです。書店はamazonをはじめとするECの攻勢を受けつつ、さらには書籍に変わる代替品(スマホを通した様々なコンテンツなど)にやられており、かつ再版制度により価格をいじることが難しい、ハタからみればかなり厳しい業界です。

 

そのような業界において、どんな戦い方があるのか、現在ADRで再建中の文教堂のIRを見ながら考えてみます。

http://www.bunkyodo.co.jp/company/date/tanshin20191015_03.pdf

 

超ざっくりした見方ですが、原価と雑給を変動費としてみなすと変動費比率81%ほど。雑給除いた販管費52億を固定費としてみなすとBEPは273億強。

 

変動費比率は与件として動かせないとすると、今より売上を10%近く上げなければなりません。これはこの業界の置かれている環境下では絶対無理というレベルの数字。

 

ここからは数字の裏付けがないので、ただの妄想にはなりますが私としての仮説です。

 

都心部は捨てる

BEP引き下げのため、固定費を下げる必要があります。一番は家賃。

個店のPLが見えませんが、どう考えても都心はシンドイ。賃料が高騰を続け、本を買わない若年層が多い。成立不可なので切り捨てます。

実際、文教堂に限らず、最近の閉店店舗は都心部が多くなっています。これは正しい流れ。

 

 

②地方都市はコミュニティの起点にする

地方都市の方が可能性があると思っています。というのもシニア層のコミュニティが存在しないから。スーパーやゲーセンやスーパー銭湯にタムロしているシニアは取り込む余地があると思います。

 

固定費の観点でも地方の方がベターです。書籍を買うコア層は中高年であるため、売上拡大の可能性は都心部より高いと思います。

 

 

③書店の強みを活かす

売上を上げるための最大のポイントがこれ。強みを活かすこと。

書店の強みはスタッフが本を愛していることです。普通の人の何倍も本を読んでいます。

 

書籍はあまりに種類がありすぎる故、消費者にとっては自分にあった書籍を見つけるのが難しいという欠点があります。しかも書籍の中身をAIで解読しリコメンドするのは現時点では不可能で、あくまで購買情報を元にしたリコメンドしかできません。結果、売れている本がおすすめされることになります。

 

 顧客ごとの好みを把握し、好きと思われる書籍をオススメする。これはまだAIよりも人間が優っている部分だと思います。

 

実際、この強みを活かして話題になっている書店があります。

president.jp

 

これ、本当に素晴らしい取り組みで、もっと広まるべきだと思うんですけどね。他の商材でも転用可能なはず。このモデルが作れればAmazonに対抗することも出来ると思います(言い過ぎですが)。

 

 

というわけで書店について考えてみました。個人的に本は好きですし、書店も好きなので業界の頑張りに期待したいと思います。