こんさる雑記帳

コンサルタントとして日々の仕事の中で考えたこと、二児の父として毎日の生活の中で思うことなんかを雑にまとめていこうと思います。

アパレルってやっぱオワコンだよね、という話

フォーエバー21が日本市場からの撤退を発表しました。

www.fashionsnap.com

 

フォーエバー21の場合、背景に本体の経営難があるとの話ですが、いわゆるファストファッション系のブランドの撤退はこれ以外にもオールドネイビーやトップショップ、アメリカンアパレルなど、ここ数年で非常に多くなっています。

 

なぜこれだけ多くのブランドが撤退しているのでしょうか。

 

まず端的に言えるのがファストファッションマーケット内での競争激化です。ファストファッションがまだ登場したばかりの2000年代中頃は低価格衣料品=ユニクロという時代で、ファッション性の高い低価格衣料品はあまりあまりありませんでした。

 

「ファッション性の高い割に安い」というセグメントがぽっかり空いていたわけですが、ファッション全体がシュリンクする中での唯一の成長市場ということで様々なプレーヤーが雪崩をうつように参入したことで飽和したというのが一つ。

 

その上、グローバルなファストファッションブランドの多くが日本にローカライズされておらず、デザインテイストやサイズ感において国内トップ企業に劣ってしまっていたというのも外資の撤退が目立つ大きな理由でしょう。

 

もう一つがメルカリなどの「ファッション性が高い割に安い」商品を買えるチャネルが多様化した点。特に20代の若年層ではメルカリで商品を探すという人が非常に増えています。これはリサイクルショップのみならず、ファストファッション市場の一部を食う結果に繋がっているように思います。

 

 

そしてもう一つが明らかにシュリンクしている若年層をコアターゲットに据えていたこと。これもファストファッション市場全体に影響を及ぼしている話かと思いますが、今の日本国内の若年層は頭数も少なければ可処分所得も低いです。誤解を恐れずに言えば最も貧困が進んでいる層だと思っています。

 

これらの理由により業界下位からはじき出されているという形なのではないでしょうか。

 

じゃあどうすればという話ですが、総論としてはアパレルは市場回復の芽は無く、外食市場のようなニッチプレーヤーが幅を利かすマーケットになっていくと思っています。

 

この流れはおそらく不可逆的なので、まだ体力があるうちに、アパレル以外の成長市場をポートフォリオに組み入れる動きをしないと早晩立ち行かなくなるのではないでしょうか。